英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット
公開 : 2018.08.18 12:10
自動車産業にとってブレクジットの良い点は?
強硬なブレクジットは障壁をつくりビジネスを内向きなものへと変化させる。これは英国の部品産業には追い風かも知れない。現在、1台のクルマは数量でいうと平均で44%の英国製部品を使用している。
ブレクジット後には、「原産地ルール」に合わせて自動車メーカーはこの自給率を上げようとするかもしれない。関税や国境の問題がなければ、EUの部品に比べ英国製部品はより強い競争力を持つことができるかもしれない。
例えば、アストン マーティンとマクラーレンはともにイタリア製グラツィアーノのギアボックスを使用している。強硬なブレクジットが起きた場合には、グラツィアーノに英国工場を建設するよう説得を試みるだろうとマクラーレン・オートモーティブのCEOマイク・フレウィットは言っている。「もし関税がかかってわれわれの競争力が阻害されるのであれば、絶対にそうしますよ」と彼は本誌に語った。
マクラーレンは現在50%の部品をEU(英国以外)から調達している。この数字は2020年にヨークシャーでカーボンファイバーチューブの製造を始めると40%に下がる。製造をオーストリアから移すという決定はブレクジット問題以前のものだが、勘繰る向きもあるだろう。マクラーレン、アストン マーティンは、ともに2016年の投票以来のポンド下落の恩恵にあずかっているという。