英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット

公開 : 2018.08.18 12:10

英自動車メーカーは何を望んでいる?

「われわれは国境をまたがる自由貿易、非関税、摩擦のない貿易を望んでいます」とフレウィットは本誌に語る。何度も聞く言葉だ。本質的に彼らは現状を変えてほしくないのだ。関税連盟、自由貿易、共通ルール、そして欧州全体から従業員を雇用する自由。「われわれには欧州単一市場への制約のないアクセスが必要なのです。最大の貿易パートナーですから」とSMMTは言っている。

昨年、英国で製造されたクルマの54%がEUの顧客に輸出された。望ましくないWTO関税へシフトすると、輸出に18億ポンド(2600億円)の追加コストがかかり、価格の上昇を招くとSMMTは推定している。一方、大陸から輸入される新車全体では27億ポンド(3900億円)の追加課税となる。

フォードは欧州における本年第2四半期の損失をブレクジットのせいだと主張している。「われわれの直面している最大の問題は英国です」先週、グローバルマーケットのトップであるジム・ファーレイは投資家にこう語った。「ブレクジットと長らくポンド安は、基本的にわれわれの欧州ビジネスにとって逆風なのです」

ROOとは何か?

原産地ルールとは他国と結ばれた自由貿易協定の本質的な部分であり、第三国が漁夫の利を得ないようにするためのものだ。もしA国からのクルマの関税を免除した場合、そのクルマの80%の部品がC国製だったとすると、何の見返りも求めずにC国に利益を与えたことになる。

問題なのは、英国で製造されるクルマはEUの部品に大きく依存しているため、ブレクジット後の貿易について合意しようとすると、ROOを満足するために苦労することとなるだろう。

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