英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット
公開 : 2018.08.18 12:10
12兆円産業の主要プレーヤー(その4)
ジャガー・ランドローバー
この英国最大の自動車メーカーは昨年50万台以上のクルマを製造した。しかし2018年は問題だらけだ。まずヘイルウッドの生産を減らすと発表した。次いで4月にはソリフルにある最大の工場で斡旋従業員を1000人以上減らしたと発表した。不足分を埋め合わせるため、JLRは36ふたりのフルタイムスタッフをキャッスル・ブロムウィッチから移動させた。
今年、最大の販売の落ち込みに見舞われているジャガーを製造している工場である。JLRではディーゼル騒動とモデルサイクルのせいだとしているが、世界戦略も理由のひとつだ。中国での生産が伸びており、スロヴァキアでのディスカバリーの生産も始まろうとしている。2008年にタタがJLRを買収して閉鎖を免れたブロムウィッチは今、困窮しているようだ。
ラグジュアリー・ブランドたち
ベントレー、ロールス・ロイス、アストン マーティン、それにマクラーレンは、ブレクジットに不満があるかもしれないが、彼らにはそれを乗り切るよりほかに方法はないのだ。これらグローバル・ブランドの魅力は「英国製」という保証に依存し過ぎている。
マクラーレンのマイク・フレウィットにとって、これは交渉の新たな挑戦だ。「シンガポール市場では関税は180%です。WTOの関税である10%にしてほしいと話し合っているところです」と彼はいう。「関税があること自体、わたしには納得がいかないのです」
アストン マーティンのCEOアンディー・パーマーにとって、関税の問題はブレクジットの脅威の4番目だ。「それについてはあまり心配していません」と彼はいう。最大の心配は国境での手続きの煩雑さ、二番目が原産地ルール、3番目が雇用の問題だ。「フェラーリにいるような人たちを採用しています。なので、ブレクジットが起こってもこのまま働き続けることができると言えなくてはなりません」と彼はいう。