アストン マーティンV8シグネット 試乗 完全ワンオフ 常軌を逸した素晴らしいモデル
公開 : 2018.08.15 10:10
どんな感じ?
ヴァンテージの足回り ヴァンテージSのエンジン
3万ポンド(436万円)を超えるプライスタグを掲げ、アストンでは異端ともいえるシティカーとして2011年に登場したシグネットだったが、2013年には早くもその生涯を閉じている。
今回のV8 プロジェクトでは、シグネット開発用に準備され、そのままふたつが残されていたボディシェルが使われている。このボディシェルには、ヴァンテージからダブルウィッシュボーンサスペンションを含めたフロントとリアのサブフレームが移植され、オリジナルの98psを発揮する1.3ℓ4気筒エンジンに替わるのは、ヴァンテージSの4.7ℓV8自然吸気エンジンである。
ヴァンテージのエンジンとサブフレームの移植は難作業であり、フロントのバルクヘッドを30cmほど後退させる必要があった。しかし、それ以上に難しかったのは、ドライブトレイン両端をつなぐトルクチューブとともに、シングルクラッチ式スピードシフト・オートマティックトランスミッションをリアに搭載することだった。
極端に拡がったトレッドを吸収するためホイールアーチは拡大され、前後バンパーにも若干の変更が見られるが、それ以外はオリジナルのシグネットのボディそのままだ。
路上では、決定的にダンピングが不足している。後退したバルクヘッドのせいでドライビングポジションにはオフセットが生じており、ペダル角度も不自然だ。