新型BMW 3シリーズ 試作車に試乗 「最高のハンドリング」称号ゆずらず
公開 : 2018.08.17 10:50 更新 : 2018.08.20 18:22
スタビリティコントロールは完全オフに
それでもFRとMスポーツトリムに拘るのであれば、これまでのところディーラーオプションでしか設定されていないリミテッドスリップディファレンシャルが気になるだろう。さらに、新型G20には、現行M3が採用しているeデフの簡易版が搭載されることになる。これはクラッチにより左右リアタイヤ間でのトルク配分を可能にするもので、パッケージオプションでしか選択できないばかりか、組み合わせることができるのもよりパワフルなエンジンを積んだモデルだけだ。
これこそ、BMWが迷える運転好きなドライバーたちを再び魅了しようとしている明白な証拠ではないだろうか?
新型3シリーズでどんなスポーツドライビングをするつもりにせよ、オーナーは自らが求めるものをこのクルマに見つけることだろう。
試乗は極めて短時間で、試せたのは、エンジンと、ホイール、タイヤ、サスペンション、ステアリング、トランスミッションとディファレンシャルの組み合わせのなかから、ひとつだけだった。
今回試乗した330i プロトタイプは、BMWが丹精込めて開発したMスポーツ・パッシブスポーツサスペンションと、前後輪で幅の異なる19インチMスポーツ・アルミホイールに非ランフラットのミシュラン・パイロットスポーツ4 Sを履き、オートマティックギアボックス、可変レシオのスポーツステアリングと、新型トルクベクタリングeデフを組み合わせていた。
ファーストインプレッションだが、この組み合わせであれば、アルファ・ジュリアの方が、より軽量コンパクトで、わずかながらも鋭さと生来の機敏さを備えたセダンだと言えるだろう。しかし、多くのライバルたちに比べ、現代のBMWは複雑で仕様毎の差が大きく、正しい組み合わせを選択しさえすれば、このイタリアからの挑戦者と同じくらいの鋭さを新型3シリーズが見せたとしても、まったく驚くには値しない。
さらに、ジュリアでは6万ポンド(872万円)のクアドリフォリオ以下のグレードでは、スタビリティコントロールを完全にオフにすることができないことを考えると、最終的には新型3シリーズの方がより楽しめるモデルだと、われわれとともにプロトタイプに乗りこんだBMWのシャシー担当、ヴァン・アスは話す。
「ジュリアのサスペンションに費やされているコストは目を見張るほどです」と彼はいう。「わたしなら違ったセッティングを選ぶと思いますが、素晴らしいハンドリングのモデルです。ですが、あれほどお金を掛けたにもかかわらず、スタビリティコントロールを完全にオフにすることができないとはどういうことでしょう。これでは単なる無駄遣いだとさえ言えます」