VWが自律運転の先に見据えるもの 事故リスクゼロ、竹のクルマも? 独占取材
公開 : 2018.09.08 11:40
目的地到着は二の次? ドライバーの役割は?
「中国でのセドリックは、車外よりも良い環境のキャビンをもつ、ある意味、部屋のような存在になります。アジア全体で考えると、通勤時間が長いために、車内で睡眠をとりたいという強いニーズがあるので、セドリックのシートは睡眠に適した形状になるはずです」
「欧州で最も重視されるのは時間の節約です。つまり、セドリックのキャビンで、ひとびとは仕事や食事をしたり、さらには子どもと遊んだりすることになるでしょう」
さらにウーダは、完全自律運転の広がりによって、目的地に到着するということの優先度が変わってくる可能性があると話す。「プレゼンテーションの準備をしたり、映画を見たりする場合、セドリックにもっとゆっくり走行して欲しいとか、もっと景色の良いルートを通って欲しいといった要望を出すこともできるのです」
ウーダはセドリックを「白紙の解決策」と呼ぶが、これはフォルクスワーゲン・グループの各ブランドが、それぞれこのクルマを何にでも適応させることができるからだ。スコダ、セアトやアウディといったブランドからは、「異なるデザイン言語」や「より大きなサイズ」を与えたそれぞれのセドリックが登場することになる。「アウディとフォルクスワーゲンでは自律運転モデルに注力しており、スコダやセアトといったブランドではいまのところそれほど力は注いでいません」
完全自律運転モデルで将来に備えつつ、ウーダはドライバーを必要とするクルマが活躍する場面はあるとも話す。「ランボルギーニを自動運転にしてはいけない理由があるでしょうか? サーキットまでは自動運転で向かい、サーキットに到着したらオーナーが存分にドライビングを楽しめば良いのです」