スクラップマニア、廃車にこだわるコレクター いったいなぜ? 前編
公開 : 2018.08.25 08:10
まるで自動車博物館
しかもこれは調べがついた分に過ぎないわけで、網にかからないものもたくさんあるはずだ。ディヴァイジズの一群のように空き地や離れ小屋にしまい込まれるものもあるが、多くは道端や庭に放ったらかしで朽ちるにまかせられ、近隣住民の悩みの種になっている。
下取りに売却、廃棄という選択肢もあるのに、どうして古いクルマにしがみつくのだろうか? 理由はあとで出会ったふたりの収集家が教えてくれたが、まずはディヴァイジズの廃棄物処理業者の社長に会って、なぜ古いクルマを破砕せずに置いておくのか聞いてみよう。
45年前に100ポンド(1万4000円)と750kg積みピックアップのフォード・テームズではじめた、グリスト・エンヴァイロメンタルという廃棄物処理再生会社を営む、ナイジェル・グリスト。ディヴァイジズに戻って来たわたしに、これらのクルマはみな自分のものだと語ってくれた。仕事を始めてからずっと廃車を集めているという。破砕機行きにするのがもったいないクルマを取っておくのだ。
彼は板金屋も営んでおりすでに1、2台はレストア済みだが、より面白い手つかずのクルマもあわせて、ディヴァイジズ郊外の50エーカーの土地に環境配慮をテーマとした博物館を建てて展示しようと考えているという。