スクラップマニア、廃車にこだわるコレクター いったいなぜ? 前編
公開 : 2018.08.25 08:10
保存状態の良い個体も
掘り出しものの古いクルマが納屋に眠っていたりするとたまにニュースになるが、ナイジェルのクルマ置き場をひと巡りするだけでもそこかしこに見つかる。あの日フェンスの隙間から垣間見たのは、まさに古い英国車という氷山の一角だったのだ。
後ろのほうにミニの大群がいたが、数えるのは18台まででやめた。その前には無数のクルマにまぎれて、1953年くらいのくすんだ緑のフォード・ポピュラー103Eが2台。1台はボディしか残っていなかったが、新しいフロントのシャシーレールには修理されたらしいエンジンが載っていたし、もう1台のほうはほとんど完ぺきな仕上がりといってよさそうだった。その2台の間には、ボロボロになった1980年代のモーリス・マリーナのバンがいた。
すぐ傍にはかつての銀行頭取のご用達、あかぬけた黒のローバーP4(1950年代)が、明るい赤のモーリス・マイナーのピックアップに乗っかっていた。ほかにも、1950年代半ばのサンビーム90もいれば、素晴らしく保存状態の良い1960年代中盤のヴァンデン・プラス・プリンセス4リッターR(ロールス・ロイスが唯一自社エンジンの搭載を許可した大量生産モデル)が、くたびれたトライアンフ1300と向かいあっていたりもする。
ちょっと向こうには、たぶんヒルマン・アヴェンジャー2ドアだとおもうが、まったく再生できそうな車体もある。