スクラップマニア、廃車にこだわるコレクター いったいなぜ? 前編

公開 : 2018.08.25 08:10

倉庫にさらに眠るお宝

群れのはしっこのほうに、おどろくほど無傷に近いモーリス・マイナーがいた。緑の塗装は褪せているがクロームメッキの部分は輝きを見せているし、サビもあることはあるが表面だけだ。これまた驚くことに、内装材には破れも欠けもたるみもなければ、立て付けもきっちりとしているのだ。

ナイジェルとプロジェクトマネージャーのジョナサン・テイラーは、わたしがお宝の海に圧倒されながらよろめき歩くのを尻目に、クスクス笑っていた。シミターGTにトライアンフ2000、美しいバーガンディ色のジャガーXJS。またまたミニと思ったら珍しいバンだったり、車いすが載るよう改造されたものもある。オースティン・アンバサダーもあれば、初代レンジ・ローバーも数台。それに、廃車にするしかなさそうなトライアンフ・スピットファイア…。

それでも、ナイジェルによれば「倉庫にまだまだありますよ。ベッドフォードのHAバンと、この間買った低床トラックの後ろです」というのだ。

ということで、倉庫へお邪魔してみる。暗さに目が慣れたところで、目の前に極上のオースティン・プリンセスがいるのに気づいた。

ナイジェルが説明してくれた。「1オーナーで、走行は1万kmです。われわれは何も手をかけていません。オーナーは女性でしたが、大きすぎるといってガレージにしまったまま忘れていたそうです。こじんまりした住まいに引っ越すときに、わたしに売ってくれました」

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