スクラップマニア、廃車にこだわるコレクター いったいなぜ? 前編
公開 : 2018.08.25 08:10
ふたつ目の倉庫
ふたつ目の倉庫で出むかえてくれたクルマは、すくなくとも15台。ナイジェルのチームがレストアしたものもあったが、のこりもオリジナルを保ち、りっぱに外を走れる状態だった。
車種を挙げると、1988年式フォード・シエラ・コスワース、1936年式ヴォグゾール14-6、シミターGT。ほかにもローバー75、ジャガーやデイムラーが数台、ミニ・クーパー、2台目フォード・グラナダ、オースティンA35、トライアンフ・ドロマイト、そしてロンドン・タクシーがいた。
完全レストア計画で蘇ったナイジェルお気に入りのクルマ、モーリス1100もその中にあった。
「はじめてレストアに手を染めたころの1台です」と彼は語る。「もう何百台スクラップにしたでしょうね。ドアを切りはなし、クルマをひっくり返して下回りの部品を取りはらい、フロントのサブフレームを切ってエンジンを抜き取る。それから斧でシャシーをぶった切るんです。たいていはサビサビで、ハイドラガスのサスペンションでつながっているだけでしたね」
ナイジェルは、設立を考えている博物館で「クルマもふくめてモノをだいじにすること、使えるモノは直して使うことを奨励」したいのだといい、こう付けくわえた。
「こんにちの使い捨て社会に棹さすものにしたいのです」