アストン マーティンDB11 AMR初試乗 V12エンジン搭載 アストンに求めるすべて
公開 : 2018.08.21 10:10 更新 : 2018.08.21 11:29
ベントレーやフェラーリには真似できない
V8エンジンのDB11のエグゾーストノートは、ターボ過給されているにも関わらず、極めて心に響くものだった。しかし、DB11 AMRでスポーツモードを選択すれば、アフターファイヤーのごとく、弾ける破裂音と、雷鳴のような唸りが、極めて自然に発せられる。あえて仕向けられたサウンドだとは思うけれど。
さらに、シャシーに施された変更が、従来になく素晴らしい。DB11は一般道を心から楽しめるクルマだったが、AMRはまったく別の次元を実現しているといっても、過言ではなさそうだ。トラクションの増加はさほど無いものの、荒れた路面における正確性と安定性が飛躍的に向上している。乗り心地が若干悪化している反面、初期のボディコントロール性が向上したことで、相殺したといえるだろう。
その結果、スキルが求められるような道路でも、一層の自信を持ってドライブすることができるようになった。クルマのセットアップの高さが、ドライバーをしっかりと支えてくれる。物理的なボディサイズと、やや不満のの残る視界を除いては。
定常円旋回での、オーバーステアにもアンダーステアにも陥らない高速域での振る舞いは、標準のブリジストン・ポテンザを履いた、2tもあるグランドツアラーとしては信じられないもの。さらに、電動パワーステアリングでありながら、ベントレー・コンチネンタルGTやフェラーリGTC4ルッソにも真似ができないレベルの、ステアリングフィールを実現しているのだ。