発表前に開発中止になった21台のクルマ 後編

公開 : 2018.08.26 17:10  更新 : 2021.03.05 21:36

リンカーンの後輪駆動フラッグシップ(2009年)

フォードの高級車部門であるリンカーンは、2000年代終盤に後輪駆動の旗艦モデル開発に着手。フレームシャシーのタウンカーに代わる車種と想定されたものだが、プランは2011年に凍結される。自動車誌などでは、プラットフォームはフォードのオーストラリア部門の手による、多くのモデルでシェアする予定の新開発品だと報じられた。しかし、北米市場は突如として燃費効率に優れる車種へと需要がシフトし、しかも2009年ごろまで続いた大不況の間は新車販売が急落。これが、開発中止の引き金となった。

デザイナーのJ.メイズは、オートモーティブ・ニュースの取材に答え、フォードはモデルチェンジ計画から後輪駆動モデルを排除したと語った。「わが社は、燃費効率追求の道を進んでおり、そのためにやるべきことは山積みです。ですから、後輪駆動車については話し合っていません。非常に楽しみにしていたんですがね」。2007年に公開されたこのMKRコンセプトは、翌年の市販化が一度は決定されたが、残念ながらそれが実行されることはなかったのである。

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