ヴォグゾールはどうなるのか PSA傘下、今後の展望は 新社長を取材

公開 : 2018.08.26 10:10

ラインナップの整理で効率化を

またノーマンがもくろむのは、ラインアップをバン3種と乗用車6種へ徐々に絞り込むことで、効率化とコスト低減を図ることだ。バンのほうは「勝手に絞り込まれていきますよ」という彼の言葉通りで、サイズが適当でなによりも英国製ということが大きいヴィヴァロが来年登場の見込みだ。

乗用車のほうは、新型のコルサモッカ、アストラ、SUVのクロスランドとグランドランド、高級セダンのインシグニアだ。「競合各社より車種はすくなくなりますが、目的達成のためには必要なことです」とノーマンはいう。

1999年よりずっと赤字経営のつづいていたオペル-ヴォグゾールだが、PSAの今年上半期決算で奇跡的というべき4億4500万ポンド(627億円)もの利益を計上した。さらに営業利益率も親会社PSAの8.5%という優秀な数字にせまる、まことに健全な5%という数字を達成した。ところがノーマンは「たいしておどろくことではありません」と告げる。まだまだ伸ばす余地はあるというのだ。

経営方針の転換が実を結ぶ機は熟したと、ノーマンは見ている。競争力のある手持ち車種も増えた。英国製のアストラは、売れ行きこそパッとしなくても相変わらずゴルフのライバルとして一目置かれる存在だ。

SUVのモッカ/クロスランド/グランドランドにしても、それぞれのセグメントにおいて国内で十分な訴求力を持つ。上品な高級セダンのインシグニアも、実力では今なお高級車部門の水準をリードする。

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