悪路で試乗 フォード高性能ピックアップ「レンジャー・ラプター」
公開 : 2018.08.24 11:10
ヘビーデューティな装備
ラプターは低速/高速から選ぶことのできるヘビーデューティな四輪駆動システムが採用され、舗装路では二輪駆動となる。対照的に、フォルクスワーゲン・アマロックやメルセデス・ベンツXクラスのツインターボV6ディーゼルは四輪駆動のみだが、舗装路でも大きな破綻はない。
レンジャー・ラプターはただ単に車高を挙げただけのピックアップではなく、専用シャシーを採用している。エベレストというSUV向けの四輪駆動プラットフォームをストレッチして使用しており、リアはリーフスプリングでなくコイルサスペンションが用いられている。若者が似たようなコピーを作りだすのはほとんど不可能と言っていいだろう。
インテリアの装備も格上げされ、スウェード・レザーのスポーツシートにはラプターのロゴが散りばめられている。レザーのがっちりしたステアリングホイールにはマグネシウム製のパドルシフトがついている。ダッシュボードのステッチはブルーで、その他にもスカーフプレートなど専用装備が盛りだくさんだ。
多数の専用装備 2.0ℓディーゼルに10速AT
1、2世代目のF-150ラプターはそれぞれV8とV6ターボのガソリンエンジンを搭載したアメリカらしいクルマだったが、レンジャー・ラプターには2.0ℓツインターボの4気筒ディーゼルエンジンが搭載され、これは213ps、51.0kg-mまで強化されている。ちなみに通常のレンジャーは200ps、48.0kg-mの3.2ℓ4気筒ディーゼルを搭載している。
トランスミッションは10速ATが組み合わされ(マニュアルは用意されない)、どうやってエンジンのパワーを引き出すかを考える必要はない。厄介なのはレンジャー・ラプターが2404kgもあり(通常のレンジャーよりも150-200kgほど重い)、パフォーマンスが鈍っていることだ。
0-100km/h加速は10.5秒で、通常のレンジャー3.2オートマティックよりも0.5秒速いだけで、アマロックTDV6よりは2.5秒以上遅い。実用では十分だが、パフォーマンス的に言えば10.5秒は遅すぎる。