悪路で試乗 フォード高性能ピックアップ「レンジャー・ラプター」
公開 : 2018.08.24 11:10
素晴らしいオフロード性能
レース育ちのフォックス製ショックはよくしつけられており、オンオフのパフォーマンスのバランスに優れている。コーナー出口でフロントからリアにわずかな荷重移動を感じる程度で、前後のディスクブレーキを急制動させてもノーズダイブは最小限だ(このクラスのピックアップのほとんどが、依然としてリアにドラムブレーキを採用している)。どのような道でも足回りは確かで、平穏だ。
ラプターのリアは、リーフスプリングバージョンのレンジャーほど道路のくぼみや継ぎ目を超えるわけではない。オフロードタイヤはサイドウォールが高く、トレッドが深いにもかかわらず、舗装路でのステアリングは驚くほど正確だ。フォードが生産バージョンでこれだけ洗練されたセッティングを完成させたことは、間違いなくエンジニアリングの勝利で、特筆すべきことだ。
ラフロードでのハンドリングは、ピックアップというよりもむしろラリーカーに近い仕上がりで、レンジャー・ラプターの良さはオフロードでも輝く。波打った道や障害物を乗り越える際も、あまり苦労はない。これはアプローチアングル(32.5度)やデパーチャーアングル(24度)、ランプブレークオーバーアングル(24度)のおかげだろう。これらはハードコアなオフローダーにとっては重要な数値なのだ。
仮設のオフロードトラックでは、3年間以上もラプターの開発に関わった、フォードのエンジニアリング・テストドライバーによるデモンストレーション走行も行われた。四輪すべてを地面につけて、次々とコースを駆け抜けていくラプターの姿が印象的だった。