マクラーレン・セナ 試乗 究極のロードリーガル・レースカー
公開 : 2018.08.27 10:40
親しみやすい800ps
セナは、新しいコンパウンドと設計が施された、ピレリ・トロフェオ・タイヤが標準で装備される。これにより、高速コーナリングで0.3G(16km/h)、低速コーナリングで0.2G(8km/h)、高い遠心力に耐えられるようになっている。ちなみに、追加費用無しで、一般的なタイヤに交換も可能ではある。
ちなみにマクラーレンP1は、0.2Gと0.1G、720Sよりも速いコーナリングを叶えている。
最高出力は720Sから9%向上した、と聞くとさほど大きくは感じられないが、実際サーキットで走らせてみると、路上では届くことのなかった、レブリミッターに達することも少なくない。さらに、セナのブレーキング性能も素晴らしい。
不思議なことに、セナの半分の400psほどのクルマでさえ、アクセルペダルを深く踏み込むことを躊躇するクルマもある。しかし、セナのスムーズで安心感の高い振る舞いが、高い信用を与えてくれるのだ。
トランスミッションへの考え方は、ほかのマクラーレンのモデルと変わらない。V8エンジンはデュアルクラッチ・オートマチックを介して、後輪のみを駆動する。このV8エンジンは、スピードを稼ぐ目的でパワーアップをさせてはいるが、570Sと基本的に同じ。ただし、内部には手が加えられているから、違うユニットだといった方がいいだろう。
パワー感は、フェラーリF12tdfやアストン マーティン・ヴァルカンとは別物。800psも発揮しなくていい場面では、ソフトリミッターが備わっている。でも、パドルを弾いて、シフトアップ目掛けて800psを味わうことも悪くない。
これほどのパワーを持ちながらも、親しみやすいクルマを運転したことはないからか、意外にもエンジンが衝撃的なものだとは感じられなかった。