英「アイスクリーム・バン」 ほぼ手作業、製作の裏側

公開 : 2018.09.02 11:40

世界各国への輸出も

けれども、業務運営部長のエド・ウィットビーにとっては、それでご満悦なわけではない。ウィットビー家の3代目として業務に携わる彼は、英国人のアイスクリーム愛という火が消えないように、アイスクリーム・バンの製造や改造に情熱を燃やしているのだ。

「常に誰かが世界のどこかで、ウィットビー・モリソンのバンでアイスクリームを買って笑顔になっているんですよ」と彼はいう。

決してほらを吹いているわけではない。得意先は世界60カ国におよび、毎年10台ほどを輸出しているのだ。東ヨーロッパやウクライナ、カザフスタンといった国でも、ウィットビー・モリソンのアイスクリーム・バンは大人気だ。また2014年には、アゼルバイジャンに20台も輸出したという。

ボディにアラビア文字の描かれたリビア向けのモンディアル・ルッソを見せてもらったが、スピーカーから鳴り響く「ラ・クカラチャ」のほうも、国中に届くかというくらい強力だった。

このクルマはリビアの顧客がカダフィ政権崩壊後に購入した13台目だという。「シチリア島経由で地中海を船に乗せて運んでいると、移民船といくつもすれちがうそうです」とウィットビーは話してくれた。

また、買うときに払った金額の大部分は、買い換えのときに手元に戻ってくるという。だいたい新車から3年ほど使われることが多いが、その時点でもモンディアルやアマルフィの残価は新車価格の80%ほどもあるというのだ。

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