英「アイスクリーム・バン」 ほぼ手作業、製作の裏側
公開 : 2018.09.02 11:40
熟練工による手作業が中心
さて、この会社のはじまりは1962年のこと、エドの祖父ブライアン・ウィットビーが設立した。冷凍と架装の技術に長けた彼がはじめて作ったバンの謳い文句は「表彰状モノのアイスクリーム」だった。ロールス・ロイスで働いた間に数すくないW.O.ベントレー賞も受賞した息子のスチュアートも加わり、父とともにバンづくりに情熱を燃やした。
そして1983年のベッドフォードCFベースのウィットビー・ブラックルーフを皮切りに、アイスクリーム・バンのベストセラーを連発することになる。翌年にはメルセデスT1ベースのモデルも加わった。このメルセデスとの関係は、スプリンターのシャシーキャブをベースに新型バンをつくる今日までつづいている。
今後は、オール電化のアイスクリーム・バンも来年末をめどにデビューさせる予定だ。もっとも、ソフトクリームマシンをディーゼル発電機のかわりに外部電源でも動くようにする改造はすでに行っているという。
工場内を見学させてもらった。従業員は男女あわせて43名だ。作業は切断、型取り、溶接、穴開け、配線に塗装と多岐にわたるが、見回してもクレーンや巻上げ機はわずかで、主な作業は熟練した従業員の手によっていた。ボディをポップに彩るグラスファイバー製のアイスクリームコーンや派手な塗色を別にすれば、あたかもかつてのロールス・ロイスやベントレーの工場のような作業風景だ。