英「アイスクリーム・バン」 ほぼ手作業、製作の裏側
公開 : 2018.09.02 11:40
作業工程を見学
はじめに案内されたのはGRP(ガラス繊維強化プラスティック)作業場。ここではボディ、冷凍庫、水タンクほかさまざまな型取りのボディ部品がつくられる。金属作業場では、スプリンターのシャシーに冷凍庫やタンク、骨格となる構造物が取りつけられている。
われわれの足は、ある基本作業のためにアメリカから送られてきたという巨大なアイスクリーム・バンの前でいったん止まった。
エドが説明してくれた。「このバンのソフトクリームマシンを動かせる駆動装置を製作しているところです。冗談に思われるかもしれませんが、アメリカほどの大国でもこの種の技術の専門家はいないんですよ」
冷凍機の作業場では、カルピジャーニ製のアイスクリームマシンを取りつけ、駆動装置をバンのエンジンに接続しているところだ。エドはウィットビー・モリソン独自の直接駆動装置については詳細を語りたがらないのだが、それも無理はない。
ほんの数年前、会社は「アイスクリーム戦争」とでもいうべき事態に巻きこまれたのだ。アイスクリーム売りを騙った悪意ある人間がバンを買い、分解して構造を解析し、ウィットビー・モリソンのロゴをつけた模倣品をでっちあげたのが事の発端だった。