初代ホンダ・インサイトはなぜ英国で失敗したのか あらためて試乗

公開 : 2018.09.02 10:10

空力とシャシー軽量化に注力

ミレニアムの変わり目に英国でインサイトが販売されたときは、スタイリングは1997年のショーカーから進化していた。フロントエンドはコンセプトカーの三角ライトが丸みを帯びたヘッドライトに置き換わってソフトになり、パノラミックなガラスルーフもコストを抑えた普通のメタルトップに置き換わった。

J-VXのアグレッシブなヒップは引き伸ばされ(インサイトで最も特徴的な部分だ)、スパッツで覆われたリアホイールは驚異のCd値0.25の実現に貢献している。これで実用燃費が1.77km/ℓ向上するそうだ。しかしインサイトの素晴らしい燃費は、スタイリングスタジオや空洞実験だけで実現できたわけではない。

シトラスイエローメタリックのクルマの中身はオリジナルコンセプトと同じ。つまり、アルミパネルをまとったアルミ押し出し材によるスペースフレームのシャシーだ。鈴鹿のNSXと同様、かなりのコストをかけている。これにより、総重量はたったの835kgに納まっている。

現代のロータス・エリーゼよりほんのわずか重いだけで、当時のシビックより47%も軽いのだ。また強度にも大きく貢献しており、ねじれ剛性はスティールに比べ38%向上している。アルミ鋳造のホイールも軽量化設計で、転がり抵抗を減らすため貧弱な165幅の高圧タイヤを履いている。ブレーキキャリパーとリアドラムもアルミ製、燃料タンクはプラスティック製だ。

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