乗り心地とハンドリングは欠点

インサイトで完成度が低い点をひとつあげるなら、乗り心地とハンドリングだ。クルマの他の部分が優れているだけに、余計に詰めが甘いと感じるのだ。まるで数多くの新しいドライブトレイン技術を生み出してきたホンダのデザイナーたちが、フロントはマクファーソンストラット、リアはスプリング付きのツイストビームとセパレートダンパーで我慢しようと決めたみたいだ。

高速道路では十分にスムースだが、街中ではダンピングが不足気味で、バンプを乗り越える時など荒れた海のブイのようにフロントエンドが上下動する。リアのスプリングは柔らかすぎて腹をこすってしまう。

コーナリングもアンダーステア気味で気持ちよくない。石のように固いプアなタイヤ、狭いトレッド幅とリアアクスル前の重たいバッテリーのせいで、特にウエットでグリップが不足するのだ。

しかしである。このクルマは過去20年で最もダイナミックなハッチバックではないかもしれないが、そんなことは燃費の信奉者にはどうでもいいことだ。完璧な低燃費運転の技を身に着け、常に最高の燃費を追い求める。多くの信者が平均35km/ℓの燃費を達成している。現代のほとんどのクルマよりも低燃費だ。全電動化されたライバルは除いての話だが。

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