初代ホンダ・インサイトはなぜ英国で失敗したのか あらためて試乗
公開 : 2018.09.02 10:10
失敗の原因は2シーターか
今まで、ガソリンハイブリッド戦争の勝者はトヨタ・プリウスだった。燃費は14.5km/ℓ程度と劣るが、特に北米のユーザーには、ずっと普通のスタイル、4ドア、大きなトランクスペースが魅力的だったようだ。ホンダは2009年にインサイトをモデルチェンジし、プリウスと似た形にしたが、燃費に関しては初代プリウスのそれを0.35km/ℓ上回るだけであった。
素晴らしい燃費性能と最先端の技術にもかかわらず、インサイトは英国ではまったく成功しなかった。売れたのは70台だ。1万7000ポンド(242万円)という比較的高い売り出し価格や残存価格減少の不安、それに論議の的となるスタイルも問題だったが、インサイトの一番の失敗はリアシートがないことだったと思う。2シーターは週末の遊び道具やスポーツカーのものであり、日常のクルマには相応しくなかったのだ。
しかし今日でも1000年紀の変わり目でも、少数のマニアにとっては、性能と引き換えならそんな不便など問題ではない。現代で最も低燃費で、とんがった、面白いクルマを購入するマニアには、取るに足らない些細なことである。
ホンダ・インサイトのスペック
新車価格 | 1万7000ポンド(242万円) |
全長×全幅×全高 | 3945×1695×1355mm |
最高速度 | 181km/h |
0-100km/h加速 | 12秒 |
燃費 | 28.7km/ℓ |
CO2排出量 | – |
乾燥重量 | 835kg |
パワートレイン | 直列3気筒995cc、電気モーター |
使用燃料 | ガソリン |
最高出力 | 68ps/5700rpm(エンジンのみ) |
最大トルク | 9.3kg-m/4800rpm(エンジンのみ) |
ギアボックス | 5速マニュアル/CVT |