ロードテスト アウディA7スポーツバック ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2018.09.17 16:10  更新 : 2018.09.18 11:22

結論 ★★★★★★★☆☆☆

「目に麗しく、日常使いの満足感は大きいが、走りはエモーショナルではない」

上品で鮮明なエクステリアのラインと、デジタルインターフェイスを満載したキャビンを備える新型A7は、先進的な雰囲気のステータスシンボルを求めるなら抗いがたい魅力を感じるだろう。低く構えたシルエットながら、これほど広いキャビンと荷室を備えることは、このクルマにグランドツアラーとしての魅力を与え、それを高めるのが賞賛すべき洗練性や経済性、力強さを兼ね備えたディーゼル+モーターのマイルドハイブリッド・パワートレインだ。

それがなぜ、星7つという中途半端な評価に甘んじたのか。その理由はシャシーにある。足元は安定しているが、基本レベル以上にドライバーを夢中にさせる能力も、長距離ツアラーたる4ドアクーペにわれわれが期待するような乗り心地の質も持ち合わせていない。ハンドリングは必要十分ながらそこまでで、操縦系からのフィールは欠如している。それは熟成されたクルーザーだと受け入れられる特質かもしれないが、荒れた路面や予期しない凹凸には苦戦する。結局のところ、このファッショナブルなアウディは、決してすべての期待に応えることができないクルマなのだ。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン

テールライトに用いられた292個のLEDは、ロックの開閉時に光の流れでそれを知らせる。好きか嫌いかはひとそれぞれだろう。

サイモン・デイヴィス

キャビンやV6ディーゼルの洗練ぶりに比べ、乗り心地はやや硬く、低速でのそれは快適と呼ぶには落ち着きにかけるものだ。

オプション追加のアドバイス

エアサスペンションに2000ポンド(約30万円)を払う価値があるかは考えものだが、高速道路を長距離走るドライバーなら恩恵にあずかれるだろう。110ポンド(約1.7万円)追加して72ℓ燃料タンクを装備すれば、航続距離は1300km近くまで伸びる。

改善してほしいポイント

・軽いが気になる反響音を、シャシーから取り除いてほしい。
・タッチパネルの操作力を軽くしてほしい。しばしば二度押ししなくてはならなかった。
・サスペンションの圧縮側の特性をいじってほしい。A6ではもっとスムースだった。

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