4代目フォード・フォーカス1.0 試乗 ベーシックな優等生 1.5ℓ推薦
公開 : 2018.08.31 10:10 更新 : 2018.08.31 16:04
どんな感じ?
引き継がれるフォーカスらしさ
走り出してみると、トーションビーム式によるダイナミクス性能の低下は、杞憂であることがわかった。新しいハードウエアを得たことで、中級グレードのクルマには大きな足かせとはならないのだろう。
今回のテストでは、英国北部のスコットランドから中央のイングランド、西武のウェールズへと、グレートブリテン島を横断するかたちで900km以上の距離を走ってみたのだが、フォーカスが充分に洗練され、機敏な身のこなしを得ていることは明らか。コーナリング時も活気に溢れ、荒れた路面でも自信を持って走らせることができた。
スプリングとダンパーは、低速域では柔らかく感じられるのだが、非常に調和が取れている印象。電動パワーステアリングはフィーリングで不足しているが、フロントタイヤはレスポンスに優れ、正確性も高い。さらに高負荷時でも、リアタイアがしっかりクルマを支えてくれている。路面状態が良くない環境であっても、スピードに乗った走りができる、フォーカスならではの身上を実感させられた。
高速道路の走行時に、運転席側のドアから風切り音が目立っていた。助手席側は静かだったから、ドアシールなどの取り付け不良なのかもしれない。
サスペンションは高速域でも充分に良い仕事をこなしてはいるが、滑らかな路面でもやや落ち着かない様子。特に背中や腰回りに、気になる振動が伝わってくる印象だった。独立したマルチリンク式サスペンションを装備したグレードなら、もう少し違う挙動を示すはず。