大クラッシュから復活 幻のアストン「DP215」、24億円で落札
公開 : 2018.08.31 11:10 更新 : 2020.12.08 18:48
アストン マーティン「DP215」が、24億円で落札されました。ル・マンでは300km/h超えをマークした幻のGTレーサー。後年、クラッシュをして廃車にされてしまいましたが……。
text: Kazuhide Ueno(上野和秀) photo:RM Sotherby’s/Simon Clay
アストン 究極のコンペティションGT
スポーツプロトタイプ・マシンのDBR1で、1959年のル・マン24時間レースを制したアストン マーティン。しかし、国際スポーツカー選手権のタイトルがGTマシンに掛けられることになったため、各メーカーはコンペティションGTを開発する。
フェラーリは250GTOを送り出したのに対し、アストン マーティンは同様のコンセプトでDB4GTをベースに制作されたDP212を1962年に送り出す。ちなみにモデル名の「DP」は「デザイン・プロジェクト」を意味する。
1963年になるとウイークポイントを改良した進化型として、DP214が登場。それを基に、トランスアクスル・レイアウトを採用したエヴォリューション・モデルのDP215が1台のみ作られた。
DP215は1963年のル・マン24時間レースに投入され、フィル・ヒルとルシアン・ビアンキにステアリングが託され本領を発揮する。
ユノディエールのストレートでは198.6mph(317.7km/h)をマークし、フロントエンジンGTとして初めて300km/hを越えたマシンとなった。
レースは4時間目にギアボックスのトラブルでリタイアに終わり、翌月にジョー・シュレッサーのドライブで参戦したランスでもギアボックス・トラブルで終えしまう。