ポルシェ・ケイマンS
公開 : 2013.03.29 16:26 更新 : 2017.05.29 19:07
■どんなクルマ?
英国仕様のポルシェ・ケイマンSをドライブした。英国でのケイマンは、271bhpの2.7ℓモデルが39,694ポンド(570万円)からはじまって、今回試乗した320bhpのケイマンSの48,783ポンド(697万円)までというラインアップがされている。
われわれの試乗車には、更にアクティブ・サスペンション・マネジメントとカーボン・セラミック・ブレーキ、そしてバケットシートをオプション装着していたので、その価格は64,374ポンド(919万円)となる。また、海外で試乗したモデルは7速のPDKが装備されていたが、こちらは6速マニュアル・トランスミッション・モデルだった。マニュアル・モデルはPDKモデルに較べ、CO2排出量が188g/kmから206g/kmに上がり、0-100km/h加速も4.7秒から5.0秒へと落ちることとなる。
■どんな感じ?
天国にいるような喜びに満ちたクルマだ。まばゆく、海外で得た印象と同じようにここ英国でも感銘的なドライビング・フィールを示してくれた。
新しいプラットフォームは40%固くなったお陰で、サスペンションをロード・サーフェス・マネジメント方向に振ることができている。スポーツ・モードは一般道ではさすがに固すぎるが、アダプティブ・ダンパーをノーマル・セッティングにしておけば、オプションの20インチのホイールを履いていようともしなやかな乗り心地を提供してくれる。ベンチマークとなるマクラーレンやポルシェよりも、従順でコントローラブルな感じだ。
実際、ミッドコーナーでも、そのボティ・コントロールは狙いから1mmも外れないといった感じだ。
3.4ℓのフラット6は、英国の2級国道を走るには圧倒的なパワーを持つ。それが、2.7ℓモデルよりも好ましいかは個人の選択の問題だ。ケイマンSは、4500rpmでケイマンよりも8.3kg-mも厚いトルクを持つのだ。フラット・アウトした時の、より大きなアウトプット・パワーがもたらすパフォーマンスは確かに捨てがたい物があるのも事実だ。
■「買い」か?
ケイマンは、どんなドライバーであっても、一度乗ってしまうとそのユーザビリティに魅せられてしまうクルマだ。ロング・ホイールベースとワイドなトレッドを持つフロント・エンドがもたらす安定性も魅力だ。
7速PDKは、とりわけケイマンSでは人気のオプションだが、われわれはマニュアル・ギアボックスを選択することを強く推奨したい。ケイマンとの関係は、その入力に素直に反応してくれるマニュアルのほうが遥かに魅力的に感じるからだ。騒々しい2.7ℓを選ぶか、マッシブなSモデルを選ぶかは別として、それは本当のことなのである。
(ニック・カケット)
ポルシェ・ケイマンS
価格 | 48,783ポンド(697万円) |
最高速度 | 282km/h |
0-100km/h加速 | 5.0秒 |
燃費 | 11.4km/ℓ |
CO2排出量 | 206g/km |
乾燥重量 | 1320kg |
エンジン | 水平対向6気筒3436cc |
最高出力 | 320bhp/7400rpm |
最大トルク | 37.3kg-m/4500-5800rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |