アストン マーティン アンディ・パーマーCEOを直撃 株式上場の真実
公開 : 2018.09.02 18:10
他者からの買収について
――株式公開により他社から買収されやすくなるのでは?
「実際のところ、われわれは現在の方が買収に対し脆弱なのです。数人の株主を説得するだけで、われわれの半分以上の株式を保有することができるのですから。今回のIPOにより株式を数万人の株主に分散することができます」
「ひっそりと買収をするめることもできますが、その持株比率が3%を超えた時点で宣言する必要があります。買収者には注意をしていますが、われわれの企業価値を高めることにより、買収しにくくなるでしょう」
――具体的に買収者とは?
「アストンは常に宝石のような存在ですが、現在はダイムラーがわれわれの株式の一部を保有しています。(メルセデス製エンジンやコンポーネンツを供給している)しかし、他者が介入してくればダイムラーはそれをライバルとみなし、パーツの供給をやめるかもしれません。われわれは長期的な投資家を求めています」
――IPOはアストンの資金調達に役立つ?
「われわれの資金集めのために上場するのではありません。株主たちがその投資に対する見返りを得ることも非常に重要です。そして企業統治の健全化による今後の成功にもつながるでしょう。わたしは過去の遺物を捨て、以前の過ちを繰り返さない企業体質を作り上げたいと考えています」
――この日はアストンにとってどれほど重要?
「われわれだけでなく、国全体にとっても非常に大きな出来事でしょう。われわれはFTSEに属する唯一の自動車メーカーであるとともに、英国で独立した唯一のメーカーです。他社はすでに海外メーカーなどの傘下に入っているでしょう。われわれは英国が誇れるメーカーとなるとともに、若いエンジニアやクラフトマンなどに活躍する機会を与えて行きます」