VWゴルフRエステート・パフォーマンスパック 環境によって「R」で充分

公開 : 2018.09.03 10:20


白眉のドライバーとの一体感

4輪駆動のゴルフRは直線加速だけではない、魅力的な走りを提供してくれているが、このエステートも変わらない。ただし、グリップ力やトラクションは、コンチネンタル・スポーツコンタクト6という高性能なタイヤを履いていても、ややハッチバックよりも劣る。ボディが大きいぶん、当然のことではあるけれど。

繊細な面での満足感も充分高い。ステアリングはクイックで情報量も豊か。大径のホイールを履いているため、わずかながら、ターンイン時のレスポンスが鋭くなっているような印象がある。コーナーの出口では、前輪駆動のライバル、セアトレオンクプラSTなどと比べて、後輪駆動よりの振る舞いが輝く場面。全体的な俊敏性の高さは、エステートボディをまとっていることが嘘のようだ。

そして、アルミニウム製のキャリパーを備える特別なブレーキは、バネ下重量を2kgも軽量化してくれる。フォルクスワーゲンによれば、ブレーキディスクが加熱した際、放射状に熱膨張させることで、優れた耐久性とペダルフィールを実現しているという。耐久性に関しては不明ながら、アシストが過剰気味なことを除けば、理解しやすく正確な制動力の立ち上がり方など、ブレーキに関しては不満は見つけられなかった。

ウェット路面では、パワーを掛けていくとオーバーステア気味となるが、適切なタイミングでスロットルを戻し、後輪の荷重を増やしてやることで、旋回性能を高めることも可能。かなりハイペースな走行での場合だけれど。

総じてゴルフRは、現実的な価格帯のモデルの中で、最もドライバーとの一体感のあるクルマのひとつだと思う。しかも、シャシーの限界性能付近での挙動は自然で、運転を心から楽しめる懐の深さも持っている。

最後に、気になった点をあげるとすれば、ドライビングポジションは、もっと低くても良いと思う。また、ハッチバックでは選択できる、アクラポビッチ製のスポーツマフラーと、DSGトランスミッションが、エステートでは選べない。その程度だ。

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