ホンダ F1エンジン供給の苦悩 トロ・ロッソとの現状、レッドブルとの勝算は
公開 : 2018.09.09 10:10
世界タイトルを取ったこともあるホンダがフォーミュラ1に復帰しました。一度は撤退をしたホンダが、ハイブリッドターボのユニットをひっさげ再びレッドブルなどにエンジンを供給します。今までとどこが変わったのか、探ります。
もくじ
ー ハンガリーGP後のテスト
ー マクラーレンとの再連携
ー トロ・ロッソだけにエンジン供給
ー ともに仕事がしやすい
ー 結果を出したトロ・ロッソ
ー さらなる進歩を求めて
ー レッドブルにもエンジン供給へ
ー ホンダのF1の軌跡
ハンガリーGP後のテスト
ハンガリーグランプリから2日経っても、ハンガロリンクのパドックはまだ騒がしかった。ふだんはグランプリが終わると、各チームはサーキットでの競争もかくやという感じでさっさと荷をまとめて我先にと帰途につくのだが、ハンガリーでは事情が異なる。ほとんどのチームはサーキットに留まり、とても珍しいシーズン途中のテストを行うのだ。
タイヤを引きずったり新しいテスト部品の入った木枠を開けたりしているチームを避けながらパドックを通っていくと、小さな桜の木が目に入る。きれいに手入れがされていてちょうど満開だ。ホンダの応接ユニットのすぐ外にある。
桜は国を象徴する花でもある。日本人にとって桜は命の美しさとはかなさの象徴であり、新生を暗示し、人生が束の間であることを思い出させるものなのだ。
応接ユニットの中には、シンボリックなモチーフと並んでさらに多くの桜の花がある。ダイニングテーブルは川の字型のデザインで、部屋の隅には5万年前のカウリの木でできたコーヒーテーブルがある。
グランプリに参加する20人程度のホンダのエンジニアやいろいろなゲスト用に設計されており、全体として静かで平穏な感じのする部屋だ。隣の建物から鳴り響く大音量の音楽とは、まったく似つかわしくない。