ホンダ F1エンジン供給の苦悩 トロ・ロッソとの現状、レッドブルとの勝算は
公開 : 2018.09.09 10:10
レッドブルにもエンジン供給へ
トロ・ロッソとの契約で期待されていなかったホンダは、比較的のんびりと検討ができるようだ。レッドブルのふたつのチームにエンジンを供給することになる来年は、今年ほどのんびりとはできないだろう。
4台のクルマを走らせれば、ホンダの開発スピードも上がるだろう。「理論的にはわれわれの得るものも2倍になりますが」と田辺はいう。「おそらくレッドブルは違った考え方を持っていると思います。2倍ではなくて2倍以上の成果を出すと」
確かにプレッシャーは2倍以上になるだろう。レッドブルは優勝を狙えるチームであり、スターデザイナーのエイドリアン・ニューウェイ、日の出の勢いのドライバー、フェルスタッペンを擁する。最近のF1では最高のシャシーを作り上げたという確固たる自信もある。
それに、現在のエンジンサプライヤーであるルノーの努力が足りないとあからさまに批判してきた経緯もある。プレッシャーの大きさは、トラック32台分の巨大なレッドブル・エナジー・ステーションと同じくらいだろう。
田辺はそう簡単には勝算を語らない。レッドブルとの目標を尋ねられた彼の答えはそっけない。「もっと高いポジションを狙っていますが、具体的な目標は言えないんです」そこでちょっと間をおいた田辺は答える。「いつも優勝を狙っています」