峠越えで足回りを試す

つぎの目的地はオールストンだ。このカンブリア地方の市場町では5本ものA/B級国道が出会うが、どの道もすばらしいのは経験済みだ。その中でわれわれが選んだのはもっともよく知られる、ハートサイド峠をこえてペンリスへ向かうA686号線だ。

天気の良い週末ともなればバイクであふれんばかりだが、じめっとした月曜の朝では影も形もない。峠のてっぺんにある有名なハートサイド・カフェは今年初めに火事で全焼してしまったが、うれしいことにまた再建されるそうだし、いまは間をつなぐ移動販売車が駐車場で活況を呈している。

道はつづら折りの下りとなり、フォーカスの運動性能をためすにはさらに都合のいい機会がやってきた。

価格をこえた走りを味わわせてくれるのがフォーカス初代からの伝統だったが、この新型も例外ではない。タイヤは17インチのミシュラン・プライマシーで、湿った舗装路でのグリップはそれほどでもないし、サスペンションもやわらかく小さなカーブではそれなりにロールを許す。それでもステアリングはピタリと決まるし、前後輪の反応もバランスがとれている。

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