心もとない追い越し加速

まるでタイムワープに感じられるほど時間がたつのを忘れてウェールズの中部をドライブするうちに、いよいよ日も傾きをましてきた。

総じて道の流れはよく、このフォーカスの追い越し加速が心もとないのも気にならない。いったんターボが効いてしまえば十分力強いのに、急加速しようといっぱいにアクセルを踏みつけても一瞬ためらうようなそぶりを見せるので、すきを見て追い越そうとしても出鼻をくじかれてしまうのだ。

そうして長い区間を気楽なペースで走っていると手持ちぶさたになってきたので、運転席からいろいろとまさぐってみた。目立たないところの表面には粗いプラスティックが使われていたりもするが、ドライバーがよく触れるところのほとんどは先代フォーカスよりもあきらかに上質な印象をあたえる素材になっている。

6段ギアボックスの印象も、640km以上をあとにした今はますますよくなってきた。先代ほどシフトノブがゴツい感じはなく、ストロークのほうは長くなった印象だが、丁寧に扱えば手ごたえも滑らかだし、それに必要とあれば速いシフトも難なくこなしてくれる。

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