新型フォード・フォーカス 英国有数のドライブルートを1000kmドライブ
公開 : 2018.09.22 06:10
個性はないが高い完成度
トーントンに着くころには影がだいぶ長く尾をひいてきた。夕焼け空がぴったりな1枚を撮るならマインヘッドへまっすぐ伸びるA358号線を行くのが良さそうだが、ビショップス・ライダードから北西へむかうB3224号線のほうがエクスムーアへ早く着けるし、わたしのお気に入りでもある。土手や生け垣のあいだを縫うような道だがクルマはほとんどいなくてまさに流れるように走ることができるし、道端をうろうろする住民もいない。
道中で1度、けっこうな勢いで飛ばすダチア・ダスターを前方に見つけたが、どう頑張ってもついていけなかった。まして追い越そうなどという気もおきなかった。
ウェドン・クロスやエクスフォードといった村々をすぎ、シモンズバスで北へ折れてB3323号線をブリストル海峡に面した町リントンへ向かう。あたり一面の荒野はいまや真っ黒にそまってきたが、空は一面見事な夕焼けだ。
ささいな粗こそあるが、この旅でフォーカスの万能さが明らかになった。走った距離は954km。所要時間のほうは、写真をたくさん撮って給油も2回して、サンドイッチをほおばる時間も含めて16時間だった。
英国にはすばらしい道がたくさんある。そしてこの新型フォーカスというクルマも、際立つ個性こそないが、そんなすばらしい道をこころゆくまで堪能できる1台だと、この旅であらためて感じた。