試乗 ジャガーIペース 400psのEV デザイナーと巡る530kmの旅
公開 : 2018.09.11 11:50 更新 : 2019.04.19 19:24
素晴らしい回生ブレーキの制御
まずは東に進路を取り、海岸に面した小さな町、ダンパーを目指す。朝の通勤ラッシュは落ち着き、国道1号沿いのホームセンターにある、50kWの急速充電器がちょうど良さそうだ。われわれがコーヒーで一服している間、Iペースにも英気が蓄えられる。そして予定通り、海岸線の道を南下する。
走り出して間もなく、Iペースのエコモードを試したが、アクセルレスポンスが台無しになってしまうことがわかり、違うモードを選んだ。より自分の意のままに、ドライブしたほうが気持ちいい。
回生ブレーキの設定が素晴らしい。アクセルペダルを戻すと、0.2Gの減速が得られ、ブレーキペダルに少し触れるとさらに0.2Gの減速が発生するから、通常のブレーキディスクを用いる機会は極めて少ない。誰もが、エネルギー効率や、究極の乗り物といった視点に目覚めるだろう。
イアン・カラムは旅を一緒に過ごすのにピッタリな人物だった。彼は無数の話のネタを持っていて、状況によらず聞き上手。それに、彼自信の偉業に対しては控えめにしか話さない。クルマの話にこだわる必要もなく、その時々で興味深い話題を提供してくれる。
すでに2年も前のことだが、わたしが初めてIペースを見た時の印象に触れてみた。インテリアのプロポーションや比較的高い全高、サルーンよりも高いドライビングポジションなどを備えていたが、そのクルマがSUVには見えなかった。極めて優雅な佇まいだったのだ。