プジョー208XY THP 156
公開 : 2013.04.02 17:05 更新 : 2017.05.29 19:01
■どんなクルマ?
プジョーは208にアップマーケット向けのモデルを設定した。今回試乗した208XYは、明らかにそういった”プレミアム”市場向けのモデルである。
この208XYは、コンセプト・モデルとしては既にリリースされていたものだが、今回、ショールームに16,545ポンド(233万円)という価格の118bhpの1.6から、18,045ポンド(255万円)という価格の113bhpの1.6eHDIまでがラインナップされる。試乗した1.6THPは、ガソリン・ターボ・エンジン搭載モデルで、154bhpのパワーで17,495ポンド(242万円)というプライス・タグが付けられている。これは、208GTIよりも1,400ポンド(20万円)安い価格だ。
このモデルの大きな特徴は、深いダークなメタリック・ペイントにもある。パープル・ナイトと呼ばれるボディ・カラーがそれだ。また、瑞々しいインテリアは、コストを正当化するためには必要なものと感じる。ちなみに、このインテリアはホワイトも選ぶことができる。
208XYは、広げられたトレッド、17インチ・ホイール、細長いホイール・アーチ・トリム、リア・スポイラー(THPのみ)を装備する他、ボディ下部を208GTIと共用する。また、ボディは3ドア・ハッチバックのみ。そして、パノラマ・ルーフは標準となる。
ちなみにそのネーミングは、男性の染色体からとったものだ。
■どんな感じ?
例え、フロント・エンドの装飾がオーバー・デコレーションなものであるかもしれないが、そのハンサムなホイールや、サテン・クロームが施されたメタリックのペイントなどによって、208XYは高級なスーパーミニとしての存在感を明らかにする。
サテン・クローム風のドア・プルや、ダッシュボード・ガーニッシュ、ギアレバー・ノブ、ステアリング・ホイールに使われたレザー、インストルメントのホワイト・イルミネーション、ドア・エッジとダッシュやその他の場所に入れられた紫のステッチが高級感を醸し出している。また、紫のステッチの入れられたアルカンタラのフェーシングは標準。クラブ・ナッパ・レザーもオプションで用意される。
但し、ドア・トリムの上部だけが固いプラスティックが使われている。これについては、XYおよびGTIのデザイナー、アンナ・コスタマーニャは「残念ながら、その部分を変更するという議論に負けた」と語っている。その理由は、あまりに高価につくからだという。
その乗り心地は、予想通り208THPフェリーヌのように靭やかかつ豪華な味わいで、208GTIよりもジェントルで静かだ。それは楽しい時間を過ごすためには充分に活発で、通常の走りではシートやサスペンションは快適そのもの。ルックスと同等以上の洗練された感じが味わえる。
■「買い」か?
都会型のシックなクルマとして208XYは非常に魅力的な存在だ。しかも、ミニやシトロエンDS3のように、露骨でないところも素晴らしい。また、一方で、この208XYを、穏やかで柔らかに208GTIと受け取ることもできよう。どちらにしろ、208XYの存在は魅力だ。
205ジェントリーというモデルを覚えているだろうか。205GTIをベースに、オートマティック・ギアボックスとより優雅なサスペンションを備えたモデルだった。この208XYは、その205ジェントリーの再来とも呼べるべきモデルかもしれない。
(ジョン・シミスター)
プジョー208XY THP 156
価格 | 17,495ポンド(247万円) |
最高速度 | 216km/h |
0-100km/h加速 | 7.3秒 |
燃費 | 17.2km/ℓ |
CO2排出量 | 135g/km |
乾燥重量 | 1090kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ |
最高出力 | 154bhp/6000rpm |
最大トルク | 26.5kg-m/1750-4000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |