ジャガーXJ 一時代の両端 初代と現行モデルに試乗
公開 : 2018.09.16 11:40
乗り心地とハンドリングを両立
運転感覚もとても素晴らしい。もし主だったライバルを集めて多くの比較をしたとしても、最下位にならないことは保証する。変化の急な現代において、この最新世代のXJがデビューしてすでに9年が経つが、ジャガーは手抜かりなくクルマを進化させており、576psを得たこのクルマも速いこと痛快この上ない。
優れたところは他にもある。このクルマが最新版モデル(後輪駆動車は電動パワステとなった)なのかどうか知らないのだが、今まで運転したことのあるXJよりも一体感と落ち着きが増し、ステアリングも正確になった。このクルマがもうすぐ販売終了になるなんてと心の中で呪っている自分に気づく。もし最初からこうであればもっと売れただろうし、いま販売終了となることもなかっただろう。
このXJの初期モデルも息の長いスーパーチャージャー付きV8エンジンを搭載していたが、素晴らしいハンドリングは、ラグジュアリーカーとしてはショッキングなほど貧弱な乗り心地と引き換えだった。
しかし、このクルマの乗り心地は素晴らしく、一方でコーナリングも粘り強く、アンダーステアも滅多なことでは顔を見せない。これは伝説のテストドライバーでエンジニア兼開発者である驚異のノーマン・デウィスが、今を遡る1950年代に決定したすべてのジャガーに共通のキャラクターである。