ここまできた牛乳配達車 ストリート・スクーターに試乗
公開 : 2018.09.16 16:10
牛乳配達員の仕事
このドライバーに優しいストリートスクーターなら、大男のイアンでもガゼルのようにすばやく動きまわれる。運転席(業務の便宜を重視して左ハンドルだ)から飛びおりて軽いスライドドアをあけ、注文分の牛乳を取りだし、すばやくお客の玄関先に届けて空きビンを回収し、また運転席へとって返す。
これを1日に300回(顧客はのべ650軒だが、必ずしも毎日配達を希望しない客もいる)もくり返すという重労働は、午前1時にはじめても終わりは7時になる。だが、「わたしはとてもめぐまれた牛乳配達屋ですよ」という彼の目は輝いている。
このストリートスクーターにはほかにも、彼を喜ばせるちょっとした仕掛けがある。たとえば、ヒーターつきの運転席は身体を包みこむような形状だが、ドア側のクッションだけは身体をすべらせて簡単に乗り降りできるようにと、あえて平らなかたちとされている。
また自動ドアロックも、スマートキー(物理的なキーは存在しない)を持ったままクルマから5m離れると自動的にかかり、ぎゃくに近づくと解除される。そのうえ、もしサイドブレーキをかけ忘れたとしても、自動的にホイールロックがかかる仕組みになっている。
さらにはフロントガラスにも、ウォッシャーはもちろんヒーターもつく。「大寒波で気温が-15℃までさがったときでも、ほんの数分でガラスの霜がとれましたよ」と、イアンもその威力に大満足だ。