ここまできた牛乳配達車 ストリート・スクーターに試乗

公開 : 2018.09.16 16:10

扱いやすい巨体

イアンが恵まれた牛乳配達人であることは疑いようもない。ストリートスクーターの運転姿勢が乗用車的で、すべての操作系が従来の自動車となんら変わりなく、使いやすく配置されているからだけではない。運転そのものが易しく、しかもクルマじたいがおどろくほど洗練されているのだ。

背後の隔壁のむこうにある牛乳びんのカゴはあちこち動きまわらないように滑り止めのゴムマットに載ってはいるとはいえ、ウィンブルドンの道をトルキーな48kWモーターでペースを上げて走ってみても、荷台からはまるで音がしないのだ。シフトレバーを2回倒してブーストモードに入れれば、それこそみるみるうちに配達がすすんでいく。

こんな早い時間なのに、せまい通りには路上駐車のクルマが列をなしていた。そんな場所ではありえないほどせまい駐車スペースにこの巨体を入れないと、早起きして出かけるひとを通せんぼしてしまう。

とはいえ、全長こそ5784mmとロールス・ロイスファントムながら幸いホイールベースは比較的短いので、そんなせまいところに押しこむのも苦ではなかった。

「速いし、長く走れて助かりますよ」とイアンはウインクしてみせた。くれぐれもロックケーキ売りには気をつけてほしいと願うばかりだ。

DHLストリートスクーターのスペック

価格 4万6000ポンド(657万円)
全長×全幅×全高
最高速度 85km/h
バッテリー リチウムイオン、33kW
充電速度 約10%/時間
最高出力 48kW
乾燥重量 1695kg
車両総重量 2600kg
航続距離 105〜120km

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