アウディA6アバント新型C8系 初試乗 マイルドハイブリッド搭載、正常進化

公開 : 2018.09.18 10:40  更新 : 2018.09.18 11:20


サスペンション選びは慎重に

4ドアサルーンと同じように、A6アバントのマイルド・ハイブリッドは黒子に徹した働きをする。惰性走行時では、エンジンは気づかないうちにストップしているが、わずかなアクセル操作でエンジンはすぐにスタート。車内には風切り音やロードノイズが響かないばかりか、耳障りなエンジン音すら届かず、洗練性を高めている。

エンジンは4気筒に決めたとして、サスペンションは慎重に選んだほうが良さそうだ。試乗では、標準のコイルスプリングにアダプティブダンパーの組み合わせと、オプションのエアサスペンションの組み合わせを、交代で試した。その結果、標準のコイルスプリングの方が、落ち着きのあるボディコントロールと、しっかりしていながら優れた乗り心地との、一貫性をより強く感じられた。エアサスペンションは、低速域では思いのほか落ち着きがなく、あえて選ぶ必要性はないように思う。

運動性能に関しては、われわれが試した後輪操舵システムを搭載していたクルマは充分に機敏だった。54km/hまでは、前輪の方向と逆位相に最大5度まで切れ角が付き、回転半径を通常よりも1.1m小さくしている。明らかにライバルモデルより低速域での運転は安楽。55km/hを超えると、前輪の向きと同位相に制御され、高速道路での安定性を高めてくれる。

かといって、A6アバントがスリリングなスポーツカーになったわけではない。自然なコーナリングの振る舞いは、エンターテイメント性が高いというより、落ち着いた印象。郊外の狭い国道などでは、広くなった全幅に神経を使うが、ライバルもそれは変わらない。

どうしても気になるのが、インテリアの優れた質感を濁してしまう、操作性の良くないインフォテインメントシステムのスクリーン。特に人間工学を重視しているアウディだけに、残念だ。ライバルはよりシンプルで簡単なインターフェイスを採用している。改善を重ね続けているA6にとって、評価を下げてしまっている。

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