それぞれの欠点

GTCには4段階のサスペンション設定が用意されている。正直に言って無用に多すぎる気もするが、なるほどそれだけに調整しろは広い。いちばん硬くすればどっしりと落ち着いたフィールになるし、もっともマイルドな設定ではクッションの効いた柔らかいタッチとなる。

この種のクルマがその挙動から平穏さを失う最大の原因となるのはブレーキだろう。この点で最悪なのはガヤルドだった。ブレーキペダルが右足の定位置からあまりにも離れているので、左足ブレーキの技量を磨く必要があるかもしれない。

また、踏力もかなり求められる。GTCとDBSでもフルブレーキング時にはそれなりの踏力が必要だが、ガヤルドほどではないし、そもそもこの2台はブレーキペダルがもっと普通の位置にある。

このように3台にはそれぞれに欠点があり、さらにGTCとガヤルドにはシフトパドルが小さすぎるという問題もあった。それでもこの3台は公道を満足のいく速さで攻め込んでいける能力があり、走っていて爽快な気分になれるクルマだ。そして、その理由のかなり多くを、ルーフを開け放つことができるという特性に依っている。

風の巻き込みに関しては各車よく対策が練られていて、GTCでは後席に座っていたとしても髪がめちゃくちゃになるようなことはない。もっともGTCの後席は快適だが少々狭く、特に足元の空間が不足している。だが、DBSの後部にはどうあがいても人は乗れないのだからはるかにマシである。ガヤルドなどは完全にふたり乗りだ。

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