最高にホットなBセグ・ハッチバックを探す 前編 回顧録
公開 : 2018.09.24 07:40
速さだけでなく走る楽しさを
残る2台は、少しだけ設定価格をオーバーしている。アバルト500については標準モデルではなくもっとスポーティな、つまり最強のエッセエッセを所望したためで、おかげで新型ルノースポール・ルーテシア200カップの310万円を超える325万円もの価格になってしまった。けれどその見返りに、出力もルーテシアについていけるほど強化されている。
もっとも実際には、パワーというものは走る歓びのごく一部でしかない。われわれが今回この6台について問題としているのは、まさにその走る歓びそのものなのである。それをジャッジするために、テストスケジュールに2日間を用意した。
1日目は北ヨークシャーで公道試乗に費やし、その後、進路をミルブルックに向け、2日目はサーキットで1日かけて純粋なハンドリングの楽しみを満喫させていただく。この選手権を制し、「無差別級」へのキップを手に入れるのは、果たしてどのクルマなのだろうか。
サーキットを全開で走り回る楽しさがどれほどのものかはご存じだろう。本当にこれ以上ないほど楽しい行為だとわれわれは思っているのだが、しかしそれだけでクルマのすべてを評価するわけにはいかないのも十分に理解している。乗り心地は言わずもがな、ハンドリングやステアリングの細かい仕上がりまで見極めるには、やはり公道での試乗が欠かせない。しかも路面の悪さでは定評のある英国の公道に勝る舞台はない。