幻のコンセプト「MGローバー75クーペ」 世に出ていたら? 再現車に試乗

公開 : 2018.11.11 16:10

コンセプトカーに終わったMGローバーの75クーペがもし世に出ていたら? そんな好奇心が高じて、ジェリー・ロイドという人物がなんと自らのガレージで造ってしまいました。リチャード・ブレムナーがその試乗の様子をお伝えします。

もくじ

手作りのローバー75クーペ
きちんとした仕上がり
双頭の75も自作
BMWのパーツを流用
試乗してみると
番外編:クーペらしからぬクーペたち

手作りのローバー75クーペ

わたしはたった今、ローバーの最新モデル、2004年に発表されたコンセプトカーのれっきとした生産バージョンに乗ったところだ。

ボディと面一のフロントガラスからサッシュレスのドアウインドウ、そして特別あつらえのアルミホイールにいたるまで、仕上げは実に上等だ。元となった75セダンと同じく高級車のカテゴリーに位置づけられるこの流麗な2ドアクーペ、ベントレー・コンチネンタルGTの小型版という表現が素直にうなずけるくらいに、かもしだす雰囲気は貴族的だ。

ただ、クルマとしてはこちらのほうがめずらしい。

そう、それどころか極めて希少だ。この生産第1号車に続いて2台目以降がつくられることは、まずないはずだ。おまけにこの1号車にしても、ローバーが最後に社をかまえていたロングブリッジでつくられたのではない。生まれたのは、ウェールズ南西部ハバーフォードウエスト近くのちいさな村にある、英国の平均よりも気持ち大きいくらいのガレージなのだ。

きっかけは、かつて建築業をしていたジェリー・ロイドという人物の思いつきだった。

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