ロードテスト ジャガーIペース ★★★★★★★★★☆
公開 : 2018.09.24 10:10 更新 : 2019.04.19 17:24
結論 ★★★★★★★★★☆
テスラの独占市場に衝撃を与える、ジャガーの生んだランドマーク
ジャガー初のEVは、ライバルモデルに対して優れた競争力を持つだけでなく、追従してくるモデルに対しても、高いハードルを設定した。ダイナミクス性能では、高級車として期待するに至らない部分も確かにあるが、ドライビングで満足するには充分な、秀逸の操作性とパフォーマンスが備わっている。
加えてオフロードにも立ち入ることができ、インテリアも上質で、エクステリアデザインも明確にジャガーでありながら、一歩先のものになっている。ドライビングを諦めたくない、サステイナビリティを強く意識するひとへの訴求力も高い。
充電インフラの整備が進んでいないことは、Iペースでの長距離ドライブにストレスを感じさせる、重大な要因となる。さらに、電子制御させるシャシーとトルクベクタリングシステムは、われわれが期待するほどの、革新的なハンドリングを実現しているわけでもない。
しかし、未来を思慮した視座に立って、我々はジャガーを評価しなければならない。Iペースは、本物のドライバーズカーであり、極めて魅力的で革新的なモデルであることに違いはないのだ。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイビス
EV用の充電器をマップ上で表示してくれるzap -map.comというサイトがあるのだが、英国では100kW充電器の表示がまだない。ジャガーが提供する40分急速充電器のみの情報で、現在のところあまり役に立たない。
リチャード・レーン
回生ブレーキの制御は素晴らしい。ブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み直した時の、立ち上がりがもう少し素早くなれば、さらに良い。
オプション追加のアドバイス
エントリーグレードのSには、必要と思える装備がほとんど標準で搭載されているが、オススメはSE。レザーシートにパワーテールゲート、20インチ・アルミホイールなどが装備され、上乗せとなる価格も納得できる。
改善してほしいポイント
・反応が悪く直感的な操作も難しいインフォテインメントシステムは、アップデートが急務。
・前席下の空間を、後席の足元空間に利用できるようになれば、広い後席空間は一層優れたものになる。
・ボディの余計な動きをしっかり吸収することで、より輝きを増すはず。 ダンパーのセッティングは見直してもらいたい。