20年ぶりの新型 スズキ・ジムニー・シエラ初試乗 高いオフロード性能は不変
公開 : 2018.09.25 10:10 更新 : 2018.09.27 19:14
ラダーフレームに現代的な装備
新しいボディの内側には、4代目となっても、ラダーフレーム・シャシーと3リンク・リジットアクスル・コイルサスペンション、4輪駆動システムが採用されている。さらにヒルディセント・コントロールや、運転支援システムとしてブレーキサポートなども搭載し、先代より遥かに優れたクルマに仕上がっているのは間違いなさそうだ。
エンジンは1.3ℓから1.5ℓユニットへ置き換えられた。ディーゼルエンジンのラインナップはなく、102psの最高出力を6000rpmで、13.1kg-mの最大トルクを4000rpmで発生。最高スピードは145km/hとなる。われわれの試乗車には5速マニュアルが搭載されていたが、4速ATも選択できる。
このスペックからも明らかなように、ジムニーは決して速いクルマではない。長めのシフトノブがつながった、やや荒々しい印象のあるマニュアルギアを駆使して、エンジンをしっかり回しながら速度を上げていく。
ホイールは15インチで、肉厚な195/80タイヤを履いているし、ボールナット式の電動パワーステアリングの組み合わせもあって、ダイレクトなフィーリングや、路面からのフィードバックは殆ど感じられない。しかし、短いホイールベースが、極めてダイレクトで機敏なドライビングを味わわせてくれる。また、本気度の高いサスペンションの期待を裏切らず、大きなバンプからの衝撃も上手に吸収してくれる。
車高が高いうえ、四角いボディに大きな窓が穿たれているから、視界は素晴らしい。そのかわり、高速域では風切り音がかなり大きいけれど。
多くのひとはジムニーを選ばず、別の軽快なコンパクトカーや高速道路も快適なクルマを選ぶのが実情。それに、レトロテイストなスタイリングとは裏腹に、そもそもジムニーはスタイル重視の都会派SUVとも違う。まさに本気のミニ・オフローダーであって、オフロード走行を楽しむためのクルマなのだ。