「非凡な」17種類のエンジンたち 後編

公開 : 2018.09.30 06:10  更新 : 2019.05.04 13:03

ガスタービン(1950年)

はじめてガスタービン採用を試みた自動車メーカーが、英国のコンサバティブなローバーだったことは驚きだといえるだろう。そのジェット1は、第二次大戦後の英国がこの種の技術で先行していたがゆえの成果だ。P4のシャシーがベースで、0-97km/h加速は当時としては上々な14秒フラットで、145km/hクルーズも可能だったが、いかんせん燃費が2km/ℓ程度とあっては、普及は望めなかった。

やがて開発は進み、ジェット1のエンジンは233psを発生し245km/hを超えるまでになった。また、GMやクライスラーがガスタービンの実用化を目指し、ル・マンやインディ、F1といったトップカテゴリーのレースでも導入が検討されたが、全ては失敗に終わった。しかしながら、英国のデルタ・モータースポーツが、レンジエクステンダーとして利用する計画を進行中だ。なお、現在の車両用ガスタービンとして最も知られているのは、アメリカ陸軍の戦車、M1エイブラムスに積まれているハネウェルAGT1500だろう。

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