「非凡な」17種類のエンジンたち 後編
公開 : 2018.09.30 06:10 更新 : 2019.05.04 13:03
H型16気筒(1966年)
ブリティッシュ・レーシング・モーターズ(BRM)最大の業績は、1966年にF1で導入された新たな3.0ℓ規定に斬新なアプローチを取らなかったことだろう。他ティームがV8やV12を選択する中、BRMはH16ユニットに挑んだのだ。簡単に言えばフラット8の2段重ねで、カタカナのエを思い浮かべたほうがわかりやすいかもしれない。
上下それぞれに独立してクランクシャフトが備わり、その出力はギアボックス内で統合される。気筒数の割に短いが、当然ながら重量はひどくかさむ。これを積んだロータス43は、66年にワトキンズ・グレンで開催されたアメリカ・グランプリで、ジム・クラークを勝利へ導いた。しかし、H16の勝利はこの1度のみで、ほどなくV12に取って代わられることとなる。