「既成品」は嫌? ワンオフ車の世界 唯一無二のクルマに乗る5人
公開 : 2018.09.29 10:10
オートバイエンジン2基を詰めこんだキットカー
エンジンルームは隙間なし
「エンジンルームの上にピーナッツの袋をぶちまけても、1粒も下には落ちないでしょうね」というのは、オーナーのマシュー・ベネット。「居心地だって、とても良いんです」ともいう。
ロータス・セブン型のクルマにバイクのエンジンを積むなんて、それこそ身の毛もよだつ話だ。吹けば飛ぶような車重にピーキーで慣性などないかのような弾け飛ぶパワーで、それこそ狂ったかのような速さで飛んでいくのだ。
その手のクルマにサーキットで乗ってオイルで滑ったときはもう死ぬかと肝を潰したものだが、そんなわたしにとってこちらのマシンがバイクのエンジンを1基どころか2基も積んでいるというのは完全な恐怖以外のなにものでもない。だがベネットにとっては、これは純粋な技術的挑戦なのだそうだ。
「バイクのエンジンをふたつ買ってきて、適当な鋼材を見つくろってシャシーを作り直したんですが、それでもぎちぎちで」と彼はいう。
このクルマの元はMK(エセックスに本拠をおくMKスポーツカーズ社が2000年より製造しているロータス・セブン型のシャシー)だが、エンジンルームはカワサキ・ニンジャZX-10Rの998ccエンジン2基がおさまるように改造されている。