「既成品」は嫌? ワンオフ車の世界 唯一無二のクルマに乗る5人
公開 : 2018.09.29 10:10
まだまだ飽き足らない
カギとなるのはトランスミッショントンネルにおさまる、2基のエンジンからの動力を同期して元のままのプロペラシャフトから後輪へ伝えるトランスファーだ。これ自体は元々キットカーメーカーのタイガー・レーシングで製作されたもので、ベネットによって日の目を見るまで何年も棚でほこりを被っていたものだ。ベネットも「タイガーがケースを売ってくれたから、すぐさま進められました」と振り返る。
2基のエンジンの最高出力はそれぞれ184psなので、ベネットのマシンは368psということになる。車重たったの500kgとあれば、スルーギア加速はたいていのスーパーカーよりも速い。それでもベネットによれば「まだ実際に走らせて数カ月くらいですからね。いまもこれで卵や牛乳だって買いにいきますよ」とのことだが。
もっとも、まだパワーに飽きたらないベネットはもうこのクルマを売却して次のプロジェクトに進もうとしている。もうお気づきのことと思うが、ベネットはそう簡単にくじける人間ではない。なにしろ、かつてはウォール・オブ・デス(バイクで垂直な壁面を走る曲乗り)の乗り手だったのだから。
では、その構想を聞いてみよう。「つぎはケイターハムSVのシャシーにスズキ・ハヤブサのエンジンのターボ付きをふたつ載せたいですね。ひとつは後輪を動かして、もうひとつは前輪。ひとつあたり400psは問題なく出るとおもいますが、信頼性を犠牲にすれば500psも出るかもしれません。まあ、たぶん500psをめざすと思います。そうすれば500kgで1000psのクルマができますからね。パワーウェイトレシオ世界一はまちがいないでしょう?」
スペック
最高出力 | 368ps |
最大トルク | 20.2kg-m |
最高速度 | 220km/h |
0-97km/h加速 | 3.8秒 |