「既成品」は嫌? ワンオフ車の世界 唯一無二のクルマに乗る5人

公開 : 2018.09.29 10:10

各パーツを手作り

はじめに手をつけたうちのひとつが、手作りのフロントスプリッターだった。その威力を確かめようと勇躍シルバーストンでのサーキットイベントに参加したが、超高速コーナーのコプスで危うくスピンしそうになった。彼も「こういうパーツは前後バランスが大事だと、そのときわかりましたよ」と苦笑いする。

それから時間をかけて、自動車の空力を御する魔術を身につけていった。コプスで冷や汗をかいてからというもの、リアにもリップスポイラーをつけ、フロントのスプリッターを大型化し、サイドにはスカートもつけ、車体底面を平面パネルで覆い、そしてさらにリアウイングを大型化してディフューザーまで取りつけるに至った。

これらはすべて彼の手作りなのだ。「どのパーツも、小さなウールのふさをつけて空気の流れ方を確かめました。いまついているリアのディフューザーはグラスファイバーで作った2作目です。ボディの空力性能がよくないと、傾斜角は7度が限界だそうですね」

ピンダーはこのゴルフで英国のあらゆるサーキットをまわったが、一番走ったのはやはりニュルで、もう2300周はあとにしたという。それだけでも4万8000kmは走った計算になる。

スペック

最高出力 335ps
最大トルク 44.9kg-m
最高速度 257km/h
0-97km/h加速 5.0秒

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事