ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ 試乗 900台限定 自動車工学の賜物
公開 : 2018.09.26 10:40 更新 : 2018.09.26 11:20
どんな感じ?
タイヤへ伝わる途方もないトルク
エンジンをスタートさせてみる。6.5ℓのV12エンジンは、チタニウム製のバルブと軽量なフライホイールを装備し、内部抵抗を減らすことで、許容回転数は8700rpmに達する。8500rpmで発生する最高出力は770psだが、さらに重要なのが最大トルク。5500rpm以下の全域に渡って増強された上に、最大トルク73.2kg-mを6750rpmという高回転域で生み出すようにチューニングされた。その後、レブリミットに向けての落ち込みもほとんどない。途方もないトルクが、常に4本のタイヤへと伝わり続けることになる。ちなみに、アヴェンタドールSVの最大トルク発生回転数は5500rpmだった。
読者も想像できていると思うが、SVJは極めて速い。SVJの「J」はかつてFIAの規定に書かれていた、プロトタイプ・クラス車両規則の記述「Jota(イオタ)」の頭文字。SVは、スーパーヴェローチェの頭文字で、英語でいうならスーパーファスト。このクルマはレースに出場しないアヴェンタドールだが、これより遅いレースカーは沢山ある。
走りは、質感にフォーカスしたものではない。SVJの手法はやや古典的な、激しい直線加速によるスパルタンなもの。ただし、これまで運転してきた数多くのスーパーカーで最速でもなく、量産エンジンの中で一番優れたユニットというわけでも、ないように思う。
シングルクラッチのロボタイズド・マニュアルは、想像以上にマナーが悪く、変速の度に強烈な衝撃が頭を揺らす。ドライビングモードをコルサにすると、ダイナミックステアリングの設定を、可変レシオから固定レシオに変更ができる。固定レシオの状態がわたしは良いと思う。加えてシフトショックも適度に和らぐ。
ブレーキングは、強力さという点では素晴らしい。ブレーキング時の振動が気になるところで、ほかのクルマよりも大きいと思う。エストリル・サーキットのメインストレートでは、スピードは273km/hにまで達する。低い速度域からの加速は凄まじい。しかし、そこからブレーキングしてコーナーへ突入すると、ほかのモデルにはない、違和感のある身のこなしを披露する。